みんからきりまで

きりみんです。

発売から3年経ってCivilization 6はどう変わったか。やはりCivは拡張パックとアップデートで完成される

2016の10月にこんなエントリを書いた。

kirimin.hatenablog.com

歴史戦略ストラテジーゲームであるCiv6が発売された直後に書いたレビュー記事だ。
Civ6が発売されてから約3年、その間、2つの拡張パック(ゲームシステムを変更する巨大なDLC)のリリースと年に数回の大規模な改善アップデートが行われた。

ぼくは正直あまり暇ではなくなってしまったので初期に80時間くらいプレイしたあとはアップデートの確認プレイをするくらいであまり触れていなかったのだけど、最近また少しCiv欲が再燃してきて、Wikiで最新システムの仕様をキャッチアップしながら最新版を4プレイくらいやった。
その印象として、随分初期とは変わってて、Civ4には劣るもののそこそこいい感じになってきてるんじゃないかなと思ったので、改めてレビューエントリを書きたい。

gyazo.com

要約

よくなった部分

  • AI文明が賢く、かつ自然になった
  • 外交バランスが見直されAI文明とちゃんと同盟などが出来るようになった
  • ゲームバランスが大幅に改善され、様々な仕様を活用することでプレイスキル次第で勝敗が分かれるようになった
  • テンポをよくするための仕様が色々増えて後半が以前よりはダルくなくなった

あまり改善されていない部分

  • 要素が多すぎるかつ仕様がゲーム内で分かりにくくWikiなどで情報を補完しないと正しく楽しめない
  • 1プレイに掛かる時間がやはり長過ぎる
  • あまりゲームの本質的ではない操作や選択を自動化したりする機能がないので消化試合になってからが長い
  • 各勝利条件の達成条件が微妙で、プレイヤーにとって制覇勝利以外は実質縛りプレイな一方、AIが宗教勝利や文化勝利に近づくと妨害する手段があまりない
  • それらの問題があるためプレイに耐えられるのは小マップ規模くらいまでで、ロールプレイ的に面白い巨大マップなどはとてもクリアまでたどり着けない
  • 勝利時の演出や勝利後の振り返り機能がショボかったりとロールプレイ的に楽しませるのが下手

詳細

前回のエントリで書いた良い部分について

従来シリーズの核となる面白さが踏襲されていて損なわれていない

Civilizationシリーズのナンバリングタイトルとして、基本的な面白さはきちんと踏襲されている。 それは原始時代の開拓者から始まって現代までの文明と技術の発展を数時間で追体験出来る事や、ライバル文明との外交を駆使し時に争い時に協力し合うという面白さ。 そういったいつものCivとしての面白さは当然引き継がれている。 むしろ今作はCiv5の時よりも演出面に力を入れているのでシミュレーションとしてはより楽しめる。

この部分は変わっておらず、むしろAIの調整などにより改善している。

内政システムの戦略性が高く立地の影響も大きいのでプレイが単調になりにくい

今作では従来作のように都市を建設したタイルにだけ建築物が建ち他のタイルは畑や鉱山などの地形改善だけが広がるというわけではなく、区画というものを近隣タイルに設定し、そこに図書館や銀行などの施設を建てていく事になる。 この区画には設定する位置によってボーナスがあったり設定出来る数が決まっていたりと戦略性が高く、都市の立地や文明の状況にも大きく左右されるためリプレイ性も高く面白い。 従来作では生産力の許す限り全ての建築物を片っ端から建てていくだけだったのに比べると内政システムはかなり進歩したという印象。 ただし後述するがこのシステムが初見プレイでは分かりにくいため初心者やライトゲーマーにはストレスなようだ。

内政システムについては初見では奥深そうに思えたが、実際には結局ほぼ全ての区画を全都市に作ることになるし、その順番もほぼパターン化されるのでそこまで内政が面白いというわけではない事に気づいた。
とはいえCiv5などに比べると取捨選択を求められ十分なバランスかなと思う。

AI文明が賢く、かつ自然になった/外交バランスが見直されAI文明とちゃんと同盟などが出来るようになった

発売直後のシステムではプレイヤーへのヘイトが溜まりやすすぎ、かつ好感度を上げる手段があまり用意されていなかった結果、全ての文明がお互いを全力でヘイトし合っているように状態になりやすく、Civilizationの根幹である外交が機能していなかった。
このあたりはかなり改善されていて、文明同士の関係によるヘイトの調整や、同盟維持による好感度の大幅上昇など様々な要素により「上手く立ち回れば敵国を孤立させられるし、プレイが下手だとすぐに世界の敵にもなる」というある程度納得感のあるバランスになっている。
(個人的にはCiv4の宗教分布によって自然に文明がクラスタ分けされるシステムが秀逸すぎたと思っているが)

また、戦闘に関するAIも改善されていて、AI文明はきちんとバランス良く防衛してくるし、1文明併合して余裕だなと思ってあまり軍備を再編せず次の文明に攻め込むと普通に返り討ちにあったりするようになった。

ゲームバランスが大幅に改善され、様々な仕様を活用することでプレイスキル次第で勝敗が分かれるようになった

これはゲーム自体のバランスが大幅に改善されたのと、自分がWiKiで知識を付けたのもあって、意外とプレイヤースキル次第で色々な工夫が出来るようになっていることがわかった。
地味でUI上は気づきにくいけど効果が大きいボーナスやペナルティなどがいろいろあったり、うまく資源を活用することで大勢が大きく変わったり。
アップデートももう落ち着いただろうし、やりこみがいがある状態になったかなと思う。

テンポをよくするための仕様が色々増えて後半が以前よりはダルくなくなった

詳細は省くが、後半の能力をブーストするようなテクノロジーや施設などがいろいろ増えたので、以前よりはプレイ後半が長い消化試合になりにくくなったと思う。

要素が多すぎるかつ仕様がゲーム内で分かりにくくWikiなどで情報を補完しないと正しく楽しめない

Civ6のゲームデザインはとにかく要素を詰め込みプレイヤーに選択を迫ることでプレイの幅が広がるという思想っぽいんだけど、それぞれのシステムの仕様について理解するのが大変だし、大きなボーナスやペナルティなどが発生していてもUI上あまり気付きにくかったり、要素が複雑に絡み合った結果逆にプレイ全体がメリハリのない大味なバランスになっている気がする。
ボードゲーム的なゲームデザインで考えるのであればいかに仕様をシンプルにして一つの選択の影響力を大きくするかを考えた方が撮れ高のある展開になりやすいと個人的には思う。

1プレイに掛かる時間がやはり長過ぎる

多少改善されたとはいえ、やはり小マップで全力制覇勝利を目指しても1プレイ5,6時間以上掛かるのは社会人には結構しんどい。
逆に言えば暇を持て余していて時間を長く使えるゲームを探している人にはかなりオススメだと言えるかもしれない。

あまりゲームの本質的ではない操作や選択を自動化したりする機能がないので消化試合になってからが長い

これは本当に謎なんだけど、Civ6ではとにかく操作を自動化するというオプションが用意されない。
具体的には、労働者は基本使い捨てで内政をちゃんとやるためには幾度となく労働者を生産して手動で操作して地形を改善しないといけないし、政策システムでは大量にあるボーナスカードから好きなものをいくつかスロットにはめる装備のようなものだが効果が地味なのに選択肢が多すぎて考えるのがダルい。
交易路も交易先の都市を一覧から選ぶが交易出来る数が増えてくると毎ターンのように選択ポップアップが出てきて面倒くさい。
中世になると世界会議という国連決議みたいなシステムが導入されるが、これもぶっちゃけどうでもよい選択肢が多く選ぶのが面倒。
都市の生産もユニットの移動もとにかく何も自動化出来ないので、大きなマップ、後半になればなるほど大勢に影響しない操作量ばかりがどんどん増えていきクリックゲーみたいになってしまう。

3年経っても改善されないのだから何かしらポリシーがあるのだろうけど、どう考えても後半は選択をAIに任せるようなオプションがあってもいい。

勝利時の演出や勝利後の振り返り機能がショボかったりとロールプレイ的に楽しませるのが下手

これもやはり神ゲーであるCiv4との比較になってしまうが、ゲームクリア時の演出がハッキリ言ってショボくて達成感がない。
またCiv4のようにクリア後の画面で世界地図が同変化したかのタイムラプスを見れたりもしないし、一応スコアの変化などの折れ線グラフは見れるものの取ってつけたような感じであまり良い出来ではない。
このあたりって結構ゲームの楽しさに直結する部分だと個人的には思っているので惜しいなぁと思う。

まとめ

いろいろ書くとどうしても不満点を長く書いてしまうけど、Civilizationというゲームへの期待値が高すぎるのであって、フラットに考えればかなり面白い戦略シミュレーションゲームだと思うし、3年間のアップデートによりかなり完成度も高くなっているので、今あらためてプレイしてみるのもいいんじゃないかなと思う。

gyazo.com

ちなみに、最近Switch版が発売されたらしいけど、どうやら調べたらSwitch版には拡張パックが導入されていないらしい。 Civシリーズはバニラ版は実質ベータ版で、拡張パックによる大幅アップデートが2つ導入されてようやく完成版という側面があるので、個人的にはSwitch版はオススメしない。

様々なTODOアプリやタスク管理方法を試行した結果最終的にプレーンテキストに行き着いた話

TODOアプリという永遠のテーマ

このブログでは過去に何度かタスク管理についてエントリを書いてきました。

kirimin.hatenablog.com

kirimin.hatenablog.com

kirimin.hatenablog.com

タスク管理のためのいわゆるTODOアプリについては色々なものを試してきて、KanbanFlow→Habitica→GitHub→Todoistと移り変わっていった。

でもやっぱりメモ帳を使ってしまう問題

このように最高のタスク管理をしようとポモドーロ機能やリマインド機能、優先度設定やタグ付け、定期タスク登録など様々な機能を持ったタスク管理アプリを使ってきたが、いつも気がつくとWindows標準のメモ帳かVScodeでプレーンテキストに書きなぐってしまう。
しかもそれが一番しっくりくるのだ。

多分理由はいろいろあって、たとえば

  • 一瞬で開ける
  • いらなくなったら閉じれば削除される
  • 終わったタスクが勝手に消えたり移動したりしない
  • プレーンテキストなので自由に書き殴れる
  • 保存しようと思ったら適当にデスクトップなどにファイルを保存すればいい

などだ。

やっぱりプレーンテキストが最高なんだよな

アプリエンジニアが言うのもなんだけど、リッチなUIが容易されているアプリやリッチテキストよりも、結局プレーンテキストが一番速くて柔軟性があるということに気づいてしまったのだ。
markdawnというフォーマットが支持されているのもそういう理由なんだと思う。

プレーンテキスト(markdown)でタスクを全て管理する

というわけで色々考えた結果、最終的にプレーンテキストで全てのタスクを管理するという方法に落ち着いた。

具体的にはInkdropというmarkdownメモ帳アプリを使っている。
このアプリはクラウド同期に対応していて、かんたんに言えば軽量版Evernoteという感じだ。

今はこのアプリを全ての端末(PC,スマホ)で同期してタスク管理も含めた統合メモ帳環境として使っている。

文章で説明するよりも画像を見せた方が早いと思うのでスクショを貼る。
基本的には次の画像のようにマークダウンフォーマットでタスクを単純に箇条書きしているだけだ。

gyazo.com

しかしこれはかなり便利で、当たり前だけどプレーンテキストなので並べ替えもまとめてコピーや貼り付けも自由自在だ。
月ごとにページを分けていて、終わらなかったタスクは新しい月のページにコピペして移動している。
また、プレーンテキストのよいところとして、終わったタスクを移動させずにチェックをつけていくことで、過去にどんなタスクを消化したかが視認できる。マークダウンなら取り消し線を使えばより分かりやすい。
これは達成感というモチベにもかなり影響していて、多くのTODOアプリが終了したタスクを自動で削除したり終了済みの別ページに移動させたりしてしまうが、それが不満だった。

なお、画像内のタスクの右側に書かれているアルファベットはタスクの「優先度」と「重さ」を表していて、これもテキストなので一瞬で書けるが、タスクを整理するのに非常に便利だ。

最近は普通のTODOに加え、積本の管理も同じフォーマットでやり始めた。

https://i.gyazo.com/fa857efa4e3e32d0bcff0e5df6cf86d5.png

積み本も多くなってくると優先度などが管理出来なくなってくるので、このようにまとめると整理しやすい。
タスク管理と同じく優先度と重さを付与しているが、更に最後に"K" "P"とつけてKindleか物理本かを区別してる。

その他のInkdropの活用

タスク管理以外のメモも最近はすべてInkdropに移行している。
ぼくはEvernoteも有料会員で使っているんだけど、Evernoteはリッチテキストなのでイライラすることが多かったり、重くて使い勝手が悪かったりするのであまり積極活用できていなかった。
ただし、旅行のメモなどの場合はメールやWebサイトの内容をそのままコピーしてメモしたいことが多いため、リッチテキストのEvernoteの方が便利な時もある。

とにかくプレーンテキストで箇条書きするというのは頭を整理するのにとてもよい方法だと感じている。
そのツールとして軽量かつMarkdownが補完、ハイライトされるInkdropはとても便利だ。

ただし例外として定期タスク(習慣化したいもの)だけはテキストベースだと面倒なので、日課の管理だけはTodoistを使っている。

夏コミ(C96)4日目にサークル参加して漫画や技術書典の既刊などを配布します

8/12(月)に開催される夏コミ4日目、スペース南キ05-aにてサークル「きりみんちゃんねる」としてVTuberきりみんちゃんの創作漫画や技術書典の既刊などを配布します。

詳細はこちらのページをご覧ください。

www.pixiv.net

夏コミでも技術書典と同様にpixiv PAYによる前払い取り置きを行います。
また、BOOTHにて電子版を販売中で累計1000部以上売れている「フリーランスを完全に理解出来る本」の紙版をイベント特別価格(という名の在庫整理)で半額の500円にて配布します。
コミケ4日目はTechBoosterなど技術本系のジャンルも配置されてる日なので、遊びにきてくれるとうれしいです。

https://fanbox.pixiv.net/images/post/485544/w/1200/2Y46ndKbeEXbITz9FMFNHT2K.jpeg

こんな漫画を(きりみんちゃんと一緒に)描きました。
ほのぼの日常姉妹百合エンジニアネタです。

https://fanbox.pixiv.net/images/post/485544/w/1200/tb1Ltltguyw5lua5M3FgkLlM.jpeg

https://fanbox.pixiv.net/images/post/485544/w/1200/fx6Qfg3jgoz4EzTiGsc7DqHb.jpeg

https://fanbox.pixiv.net/images/post/485544/w/1200/cve60uKp1o2qnTNX1VG0GgNp.jpeg

「エンジニアのためのマネジメントキャリアパス」は情熱プログラマーの次くらいに全エンジニアにオススメしたい仕事に関する本だった

少し前に話題になっていた「エンジニアのためのマネジメントキャリアパス」を読みました。

エンジニアのためのマネジメントキャリアパス ―テックリードからCTOまでマネジメントスキル向上ガイド

エンジニアのためのマネジメントキャリアパス ―テックリードからCTOまでマネジメントスキル向上ガイド

タイトルからは完全にEMやCTOなどを視野に入れ始めた中堅のつよつよエンジニア向けの本という印象を受けますが、実際には特にマネージャーになる予定がない若手エンジニアや学生、IT業界で働くエンジニア以外の職種の人にもオススメしたい汎用的な組織や仕事に関する知見が書かれた本でした。

たしかにこの本はエンジニア組織のマネージャー職について書かれた本であり、一番の想定読者はマネージャーになった(なる予定がある)エンジニアだと思うのですが、マネージャーや管理職という立場はどんな組織にも必ず存在し、かつ直接的にそういう肩書をもっていなくても誰もが時には役割を担う可能性のある業務なので、結果的にこの本を読むことで組織というものやそこで働く様々な立場の人達の考え方や事情が理解出来るようになっている。

また、この本では章ごとに段々と大きなスコープの話になっており、最初は「マネージメントを受ける側の心構え」といった内容があり、次に「メンターとして後輩と接する」といった、いわゆる管理職以外でのソフトスキルについても詳しく書かれている。

更に面白いと思ったのは、マネージャーオブマネージャーやVPO、CTOなど平のエンジニアにはあまり想像しにくい立場の人達がどんな課題や苦労に直面し、どういう行動を取るのが望ましいかということが書かれており、「よい上司とはどんな人物か」「組織の偉い人達はどんな事情を抱えているのか」といったことが想像できるようになる。

そういう意味で、むしろ学生や新卒の人こそこの本を読むことで会社組織というものがどういうものなのかという事が理解できるようになり、組織を意識した働き方や職場の良し悪しの判断がしやすくなるのではと感じた。

とにかくとてもオススメの本だとおもいました。
自分も定期的に再読したい。

pixiv App Nightで「アプリエンジニアでも神絵師になりたい!」というLTをしてきました

pixiv App Nightというイベントでお絵かきエンジニア枠という募集があって面白そうだったので、久しぶりにLTをしてきました。

pixiv.connpass.com

発表資料は以下になります。

speakerdeck.com

内容は以前このブログに描いたイラストの話と被ってる部分もありますが、2019年versionとして改めてという感じです。
あんまりアプリ開発と関係ない話になってしまったので大丈夫かな?と不安だったのですが、会場ではとても好評だったようで安心しました。

他の方の発表も単純なアプリの実装に留まらない内容で刺激をうけました。
特に趣味でTensorFlowを使ってイラストの画像識別をやっているという話がとても興味深くて、自分も機械学習に手を出したいなぁと思いました。

ピクシブ社のオフィスもおしゃれで普段インターネットで見る方々と交流できたりしてとてもたのしかったです。

こっそり連れて行ったきりみんちゃんもたのしそうでした。