みんからきりまで

きりみんです。

シムシティ(2013)を数日プレイした感想


3月7日に発売されたシムシティを発売直後にダウンロード購入し、数日間遊んでみたので、せっかくなので感想を書きます。
サーバートラブルの件は散々騒がれているのでそこはあえてスルーしてゲーム自体の感想です。


シムシティシリーズってどんなゲーム?

感想の前にざっとシムシティシリーズの説明(懐古)をしたいと思います。
感想を読みたい人は読み飛ばしちゃってください。



シムシティシリーズは都市経営シミュレーションゲームです。
プレイヤーは市長になって、何も無い大地に道路を引いたり発電所を建てたりインフラを整えます。
すると地面からニョキニョキと民家や商店や工場が生えてくるので、学校や警察署など市民が必要とするものを揃えていく事で、都市を発展させ、最終的には高層ビルが立ち並ぶ大都会に発展させます。
いわゆる、箱庭ゲーと言われるジャンルで、積み木遊びや砂場遊びの延長のようなゲームです。



シムシティシリーズは、1989年に第一作目が発売されて以来、PC以外にもSFCNDSなどでも発売され、長年ファンに愛されています。
プレイしたことはなくても、名前なら知っているという人も多いのではないでしょうか。



しかし、2003年にシリーズ集大成とも言える神作品シムシティ4が発売されてから10年もの間、正当な続編と呼べる作品は発売されていませんでした。
シムシティ5を心待ちにする人は非常に多く、定期的にガセネタが出まわる程でしたが、開発チームが解散しているという話もあり、正当な続編はもう出ないとも言われていました。
シムシティファンは、いつか発売されるシムシティ5を夢見ながら、何かに取り憑かれたようにシムシティ4をやりこみ続けました。
(そのおかげでシムシティ4にはとてもたくさんの非公式拡張や作品画像が存在します)


そしてシムシティが過去の遺産になりつつあった去年の3月、突然、当時の開発スタッフが再集結して続編を製作中である事が発表されたのです。
もうこの発表だけでファンはおしっこ漏らすレベルです。


そして更に全裸待機する事1年間。
2013年3月7日、世界中で不安と期待が入り乱れる中、とうとう発売されたのがシムシティ(2013)なのです。
(ここまでWikipediaを参考)


シムシティ(2013)ってどんなゲーム?

さて、前置きが長くなりましたが、シムシティ(2013)の感想を書いていきます。


シムシティ(2013)と今までのシムシティシリーズの1番の相違点は何と言ってもフル3Dになったことです。
シムシティ4では固定カメラでの擬似3Dでしたが、今回は完全な3Dグラフィックでカメラも自由に動かす事が出来ます。


都市の全景から


こんなに近付く事が出来ます。


グラフィックは実にシムシティらしいというか、リアル感とミニチュア感が絶妙なバランスでまったく違和感なくプレイに没頭出来ます。
発売前のプレビュー画像ではちょっと作り物っぽすぎると思いましたが、実際にやってみると意外にリアルでした。
ちなみに設定から画面に様々なフィルター効果をかける事が出来て、鮮やかな効果を設定すると玩具っぽく、逆にクールな効果を設定するとリアルっぽい印象になります。


また、今作から曲がりくねった道路をフリーハンドで自由に引くことが出来るようになりました。
シムシティ4では直線にしか道路を引くことが出来なかったので大きな進化ですね。


ただし、実際に建つ建物は四角い土地にしか対応出来ないので、曲がった道路を引いてしまうとかなりデッドスペースが目立ってしまいます。
なので結局マス目状に道路を引く事が多くなってしまいます。残念。
まあ、現実でも効率を追求すればそうなる気がするのである意味リアルなのかな?


よりリアルになったシミュレーションエンジン

シムシティ(2013)では都市シミュレーションエンジンも大幅に進化しています。
都市を行き交う車や歩行者は単なるエフェクトとして描写されているわけではなく、全て独立したライフサイクルを持ち活動しています。


たとえば道路を走る車は、それぞれが出勤途中だったり、買い物帰りだったりと、明確な目的を持って行動しています。
適当な住民にカーソルを合わせて移動するのを追いかけるだけでも楽しいです。
(渋滞に巻き込まれて出勤に10時間掛かってる人とか)


そしてそんな独立した市民の行動が互いに影響し合う事によって、自然と道路に渋滞が発生したり、経済活動が発生したりするわけです。


もちろん市民だけではなく、救急車やゴミ収集車、犯罪者や観光客などあらゆる要素が実際に行動を起こす事で町に影響を与えていきます。
従来のシムシティでは、あくまで施設や道路などの持つステータス値によって、例えば病院ならば「半径100マスの健康度を上げる」のような効果があるだけでしたが、シムシティ(2013)では実際に病人と救急車が活動をしていて、「救急車で運ばれた病人が病院で治療を受け開放される」という一連の流れがリアルタイムでシミュレートされます。


市内で起こっている活動は様々なマップモードで確認する事が出来ます。
実際にゴミ収集車がゴミを回収している様子や下水管が下水を運んでいる様子などを眺めるのはとても楽しいです。
丁度、アリの行列を眺めている時のような面白さですね。


オンラインプレイ

ところで、シムシティ(2013)はシリーズ初のオンラインゲームです。
基本的にオフラインモードは存在せず、常にサーバーと接続してゲームをプレイします。
その為、インターネット環境が無かったりサーバーがダウンしていると一切ゲームがプレイ出来なくなるという欠点があります。
(今まさにその影響で大騒ぎになっていますが)


さて、オンライン専用と言うと、シムシティの本来の楽しみである、一人でまったり黙々と理想の町を作るというプレイスタイルが損なわれてしまうのではないかと心配になりますよね。(なりませんか?)


実際にはプライベートモードというのがあって、勝手に他の人がプレイに参加しないように制限をかける事が出来ますので、実質ソロプレイも問題なく出来ます。
ただ、やはり複数人でのプレイに最適化されているなという印象はあります。
一つの都市はかなり狭めで、複数の都市がそれぞれ商業や工業などに特化しながらお互いに需要を満たしていくというプレイが前提なので、一人でプレイするとあちこちのマップで行ったり来たりする必要があって少し面倒だったりします。(それはそれで楽しいのだけれど)


プライベートモードに設定しない場合は、基本的に誰でもウェルカム状態でまったく知らない人が勝手にどんどん自分の地域内に都市を作るようになります。
ただし、シムシティ(2013)のオンラインプレイはあくまでやんわりとした協力プレイで、都市の時間経過もリアルタイムではなくそれぞれ独立している為、毎日同じ時間にプレイしなければいけないとか、他の都市と必ず協力しなければいけないというようなものでは無いようです。
Twitterのフォロワーくらいの距離感でしょうか。


オンラインプレイで負担になる部分を上手く緩和しながらも、都市間の連携はなかなか本格的で、道路や線路、飛行機などで繋がった他の都市から観光客や労働者が大量に入ってくる事で都市の経済や治安が大きく変化するのは面白いです。
何より、地域ビューで住民が都市間を移動する様子を見ると感動します。


その他、プレイしていて感じた事など

ゲームの難易度は、シムシティ4に比べると若干低い(というか分かりやすくなってる)と感じますが、シミュレーションエンジンはかなり本格的で、様々な要素が複雑に絡みプレイヤーの選択がリアルに都市へ影響されてゆくので、やりごたえはあると思います。
学校や病院や発電所などを大量に建設しなくてもアップグレードして拡張出来たりと地味にシステム面での改善も嬉しいです。


上にも書いたように、1マップがかなり狭め(4の最大マップが東京全体くらいのスケール感だったのが今回は新宿周辺くらいのスケール感)なのが現時点での一番の欠点ですね。
この事は海外でも批判が多いようで、開発者が今後もっと大きなマップを用意したいというニュアンスの発言をしているようです。
ただし、そもそも今回はプレイスタイルが従来のシムシティシリーズとは異なっていて、従来はマップ全体を高層ビルで埋め尽くすのが最終目標という感じだったのに対し、今回はマップを埋め尽くしてからが本番で、都市の特化(観光都市にしたり技術開発都市にしたり)システムが導入されるなど、狭いマップの中でいかに環境の良い都市として様々な要素で発展させて行くかがポイントという感じなので、そういう意味では丁度いいマップサイズとも考えられます。
いや、やっぱり大マップは欲しい。


ともあれ何だかんだ言いつつも絶妙なゲームバランスと操作性の良さ、UIやBGMなどの質の高さなどゲームとしては高品質で、やり始めると止め時が分からず何時間もプレイしてしまいます。


動作スペック

シムシティ4は当時の最新PCでも重くてロクに動かない事で話題になりましたが、シムシティ(2013)に関しては特別に重いということは無いようです。
私のスペック(i5-2400,8GB,Radeon HD 6800)ではフルHD解像度に最高設定でも重いと感じる事は全くありませんでした。


まとめ

サーバー関係のトラブルで米Amazonのレビューで200人中190人が星1を付けるなど悪い意味で大盛り上がりを見せているシムシティ(2013)ですが(この記事を書いてる最中もサーバーがダウンしていて途中からスクリーンショットが撮れなくなった…)、ゲームとしてはとてもよく出来ていて、特にシミュレーションゲームが好きでシムシティに興味があるような人ならば文句なしに楽しめる作品だと思うので、興味がある人は落ち着いてからでもいいので是非プレイしてみてください。