みんからきりまで

きりみんです。

#技術書典 7で「エンジニアのためのプログラミング以外入門」という本を出してたいへん好評でした(小並感)【技術書典感想戦】

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遅くなりましたが2019/9/22に開催された技術書典7にサークル参加した振り返りと感想などを書いておこうと思います。
書かないまま随分経ってしまったなぁと思っていたけど、まだ2週間しか経ってないんですね...。

配布した本について

サークルページです。

techbookfest.org

今回は新刊「エンジニアのためのプログラミング以外入門」と前回技術書典6の新刊「フリーランスを完全に理解できる本」を主に配布しました。

新刊

以下のエントリで詳しく紹介していますが、エンジニアが実際に現場で働く上での考え方やビジネス面でのスキルなどについて自分の経験を本に書きなぐったポエム本です。きりみん版情熱プログラマーみたいな感じです。

kirimin.hatenablog.com

感想を書いてくれたツイートをまとめているので興味がある方は参考にみてみてください。

togetter.com

申し込みから執筆、入稿、まで

前回のフリーランス本がとても評判がよく楽しかったので、「次回も技術書典に参加したい」とは最初から考えていたのですが、ネタをどうしようかなぁというが問題でした。
とはいえ、その頃の自分の仕事での関心事や書けそうな内容を考えると「ソフトスキルとかビジネススキル的なものをテーマにした本にしたい」というのは申込み前から決まっていました。
漠然としたテーマだけが決まってる状態でとりあえずサークル申し込みをしたという感じです。
本格的に内容を考え始めたのは当選が決まってからです。

執筆

まず今回はコラム集的な内容にしたいと思っていたので、入れ込みたい内容を思いつく度に雑に箇条書きにしたりしてネタだしをしました。
それと、本のページ数はあえて出来るだけ薄くしたいと思っていて、一番の理由は「サクッと読める本にしたい」ということでした。
自分自身どうしても分厚い技術書は読むのが億劫で後回しになってしまいますし、それが同人誌であればなおさら積みやすいし、同じ情報が得られるのであれば出来るだけ簡潔に要点だけ書かれていた法が嬉しいんじゃないかなと考えました。
特に今回はテーマが仕事の進め方やコミュニケーションなどだということもあり、新人の方や普段あまりソフトスキル系の技術書を読まない人にも読んでもらいやすい本にしたかった。

あと、単純にページ数が少ない方が執筆の負荷が少なく、印刷費用も少なく済むというのもあります。
結果的には、サクッと読みやすく簡潔にまとまった本になったと思ってますし、チーム内での回し読みやオススメもしやすくなったんじゃないかなと思っています。
ただ、ページ数が少ないとどうしても内容も薄いという第一印象を持たれてしまいやすい面もあるだろうし、実際にもう少し内容を増やしても良かったのではと思ったりもします。さらに後述しますが内容があまりにも簡潔にまとまっていると、イベントで立ち読みですべて読まれてしまうという問題もありました。

入稿

さすがに3回目の日光企画への入稿なのでもうやらかしはないだろう、と思っていたらまたやらかしました。
表紙のデザインを作る時に公式フォーマットで本の厚みによって切り取られるマージンが変わるというのを失念してしまったために、入稿時にその場で要素を中心にまとめるようにデザインを調整するということをやってしまいました。

宣伝など

前回は毎日欠かさず被チェック数を投稿したりかなり積極的に宣伝活動をしていましたが、今回はやや控えめでした。
とはいえ、目次の公開や内容を紹介するツイートやブログエントリを書き定期的に再掲する、サークルページの情報を充実させるなど最低限やった方がいいことはすべてやったと思います。

今回の反省としては、本のタイトルが若干伝わりにくいものだったことと、サークルカットに本の表紙をそのまま使ったのですが、もっとサークル一覧のサイズでもセールステキストが目に入るようなものをちゃんと作ればよかったなぁという2つがありました。

当日のようす

当日はサークル入場の時点で異常に混雑していて、設営時間も40分ほどしかなかったのでかなりテンパってしまいました。 (スマート本棚の組み立てに毎回苦戦する...)
なんとか会場直後くらいには設営を完了させ、バタバタしながら配布を開始しました。

今回の設営で工夫した(?)点としては、夏コミの時に買った自立型のポスタースタンドを使って日光企画で技術書典特典で作れるポスターを目立つ位置に掲げたことと、クソデカ宣伝紙をテーブルの全面に貼り付けたこと、価格のポップにも宣伝文を入れてきれいに作ったあたりでしょうか。
このあたりがちゃんとしているだけでもなんかちゃんとしたサークル感が出て本の内容にも信憑性が出る気がしています。

会場直後は午前有料にも関わらずたくさんの人が会場に流れ込み、事前にチェックしてくれていたと思われる迷わず買ってくれる人がたくさんいて嬉しかったです。
有料時間が終わる13時くらいまではかなり売れ行きがよかったのですが、一般入場が開放される13時過ぎたあたりからだんだん人は来るものの立ち読みだけしてなかなか買ってもらえないという傾向が強くなり、終盤は全然売れないという感じでした。
一般参加者の層も明らかに前回から更に多様化していて、(見かけの印象で人を判断するものではないですが)あまり技術系っぽくない人や明らかに冷やかしっぽい態度の人などが多かったなぁという印象がありました。
これは前回もそうだったのですが、本を食い入るように最後まで立ち読みする人や複数人で来て本の内容についてあれこれ話したりする人ほど買ってくれないという傾向があり、若干つらみがありました。
ただ、こちらも見本を出していて「気軽に見ていてってください」と言っているので、一概に悪いことだとは言えないと思うしむずかしいなぁと思ったりしました。

それから、既刊のフリーランス本はBOOTHの電子版だけでも500冊以上売れているので、もう需要はほとんど枯渇しているだろうと思っていたのですが、意外と初見っぽい人が多く新刊と近いくらいのペースで売れたのが面白かったです。思ったよりもまだまだ潜在需要があるものなのですね。

被チェック数、配布数、売上など

最終的な被チェック数は350で、前回の584より結構少なかったです。
今回はサークル数が前回から更に倍増していて、さすがに公式Webカタログでサークルを上からすべて舐めていくというのも難しいだろうなぁというのと、さすがにこの規模だと「少しでも興味がある本を片っ端から表示買いする」というわけにもいかなくなってきているので、厳選が進んだというか競争が激しくなっているんだろうなぁと想像しています。

当日も、前回までの経験則では被チェック数と配布数がだいたい同じくらいに集約するという知見があったのですが、今回は自分も他のサークルさんも大多数が被チェック数=見込み配布数よりも実際の配布数が少なかったという事態になったようでした。

実際の配布数は、おおよそ次のような感じでした。

売上は雑な集計ですが以下のような感じ。

  • 現金:190,800‬
  • 後払い:128,000‬
  • 前払い:10,200
  • 合計:329,000‬円

新刊の印刷数は400で印刷費がおよそ4万だったので、想定の半数強くらいの配布数でしたが収支としては大幅な黒字でした。🎉

また、イベント終了から24時間でBOOTHの電子版が50冊ほど売れていて、現在120冊以上売れています。

思ったことなど

今回は会場が2フロアに分かれていて、自分は2階だったのですが、3階との移動はかなりわかりにくく、2階は混雑しているけど3階は閑散としているというような状況があり3階に割り振られたサークルの方は厳しい環境だったようです。
また、午前を有料にしたにも関わらず閉会1時間前くらいまで入場待機列が解消されないなどコミケ以上に入場が難しいのでは?というような状態だったようで、サークル参加した我々よりむしろ一般参加のみなさんおつかれさまでしたという感じでした。

運営もボランティアでかなり大規模なイベントを回していることやそもそも東京で大規模な文化系イベントをやる会場などの環境が整備されていないというような問題、また参加者の多くが同人イベントなどの参加経験がなくマナーなどが分からないなどの事情もあり、かなり大変そうだなぁという印象です。

個人的には倍率が上がっても少しサークル数を減らしたり、一般参加者も完全にキャパオーバーなので全日有料入場にするなどしてもいいんじゃないかなーと思ったりしました。
やはり一つの有志イベントがこれ以上の規模になるのは色々難しいと思うので、技術書即売会イベントが他の運営でも複数開催され分散されたりするのがいいのかなぁとか思ったりもしますが、何が最適なのかはよくわからないです。

個人的に課題だと思ったのは立ち読み問題で、コミケなどでは「配布されている本の中身の確認は基本的に自由だけど、だいたい10秒くらい以内に内容が自分の好みかを判断して決断する」というようなマイナールールがあるような気がしています。また、たとえ数ページのイラスト本や漫画本などその場で読み切ってしまえる内容だとしても、好みだなと思ったら応援する意味で買うという人が多いんじゃないかなーと思うのですが、これはあくまでお気持ちの問題であって決してルールなどではないし、技術書はイラスト本などとはまた購入の動機が違う面もあると思うのでこれもむずかしい問題だと思いました。

自分としては、毎回出来るだけ読みやすい分量でストレートに要点が書かれている本にしようと心がけていることもあって、次回からは技術書典では自由に読めるようにはせず、半分だけ見れる見本専用の本を事前に用意するなどした方がいいかなーと思っています。

次回の展望

もし次回の技術書典に当選することが出来たら、競技プログラミングについての本を書きたいなーと思っています。

あ、新刊と既刊はそれぞれBOOTHで買えます。

kirimin-chan.booth.pm

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