みんからきりまで

きりみんです。

3日で36時間プレイしたのでCivilization6感想

Civ6が21日に発売されてから寝る以外の時間を全て捧げて36時間やり続けたので感想でも書いてみる。
難易度は皇帝以下で5プレイほどやっての感想です。
Civilizationシリーズは4・5・BEをプレイ済み。

最新のレビューはこちらです。

kirimin.hatenablog.com

まとめ

ベースのシステムはよく出来ていて面白いけどまだまだ荒削り感。
バグが多くゲームバランスもおかしいだろと思う部分は多い。 普通に考えれば十分コスパは良いけどシリーズファンには現時点では物足りない部分や不満点も多い気がする。
Civシリーズ恒例だがパッチや拡張パックに大いに期待という感じ。
ニートなどの忙しくない、むしろ時間をたくさん潰せるゲームほど有り難いという人には多分最高。

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良いところ

  • 従来シリーズの核となる面白さが踏襲されていて損なわれていない
  • 内政システムの戦略性が高く立地の影響も大きいのでプレイが単調になりにくい
  • エウレカや政策スロット、開戦事由など新しく追加されたシステムはどれもよく出来ている
  • 文明ごとの個性が強く魅力的
  • とにかく音楽が良い
  • 音楽以外もUIや演出など全体的なアートデザインが凝っていて楽しい
  • 日本語ローカライズが素晴らしい

悪いところ

  • 1プレイに掛かる時間が長過ぎる
  • システムが複雑で理解しにくく、ライトゲーマーにはしんどい
  • AIがあまりにも賢くないためシステムの複雑さや文明の個性が活きない
  • AIの沸点が低すぎて全員敵同士になる
  • 蛮族が不自然に強すぎる
  • 科学勝利の条件がダルすぎる
  • 致命的なバグやバグなのか仕様なのか分からない挙動などが多い
  • 操作性に一部難あり
  • ゲーム終了後のマップリプレイがない

詳細

従来シリーズの核となる面白さが踏襲されていて損なわれていない

Civilizationシリーズのナンバリングタイトルとして、基本的な面白さはきちんと踏襲されている。
それは原始時代の開拓者から始まって現代までの文明と技術の発展を数時間で追体験出来る事や、ライバル文明との外交を駆使し時に争い時に協力し合うという面白さ。
そういったいつものCivとしての面白さは当然引き継がれている。
むしろ今作はCiv5の時よりも演出面に力を入れているのでシミュレーションとしてはより楽しめる。

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内政システムの戦略性が高く立地の影響も大きいのでプレイが単調になりにくい

今作では従来作のように都市を建設したタイルにだけ建築物が建ち他のタイルは畑や鉱山などの地形改善だけが広がるというわけではなく、区画というものを近隣タイルに設定し、そこに図書館や銀行などの施設を建てていく事になる。
この区画には設定する位置によってボーナスがあったり設定出来る数が決まっていたりと戦略性が高く、都市の立地や文明の状況にも大きく左右されるためリプレイ性も高く面白い。
従来作では生産力の許す限り全ての建築物を片っ端から建てていくだけだったのに比べると内政システムはかなり進歩したという印象。
ただし後述するがこのシステムが初見プレイでは分かりにくいため初心者やライトゲーマーにはストレスなようだ。

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エウレカや政策スロット、開戦事由など新しく追加されたシステムはどれもよく出来ている

エウレカ(日本語版ではひらめき)は文明がある特定の行動と取ると実績解除のように対応した技術研究に50%のブーストが掛かるというシステムだ。
たとえば湾岸に都市を建設すると航行術にブースト、交易路を作成すると通貨にブースト、という感じ。
これによってプレイの度にブーストされる技術が変わり、文明に個性が生まれリプレイ性が高まる。

政策スロットはCiv6での新しい政府システムで、ボーナスを得るための大量の政策カードから必要なもの選びスロットに設定する事で文明の方針を決定する。
これは新しい社会制度を取得する度(数ターン毎)に変更出来るため、状況によって柔軟に文明の方針転換が行える。
例えば戦争中は軍事に特化した政策を設定し、終戦後は経済特化に切り替えるというような感じ。
これもCiv5では永久に続くボーナスをアンロックするだけだった政策システムを大きく改善している。

また、開戦事由システムは戦争開始時に開戦理由が求められるもので、その内容によって外交や内政にペナルティが生じる。
敵の労働者を奪うために奇襲戦争を仕掛ければ致命的なペナルティを追う事になるが、まず非難声明を出し5ターン待ってから宣戦布告という手順を踏めばペナルティが軽減される。
さらに宗教戦争や報復戦争などの正当な開戦理由が用意出来れば更にペナルティを軽減する事が出来る。

これらのCiv6で新しく追加されたシステムはどれもCiv5での不満点を改善したもので、とても良く出来ている。
ただし、それらが現状上手く機能しているかは後述する。 f:id:kirimin:20161025162345p:plain

文明ごとの個性が強く魅力的

今作では文明ごとの個性を強く設定していて、文明によるボーナス能力もかなり強力だし、AI文明の性格もなかなか極端である。
これは単純に楽しいので良い点だと思う。

とにかく音楽が良い

今作ではCiv4のテーマ曲Baba Yetuを手掛けたChristopher Tinが再びテーマ曲を作成しており、この曲がとても良い。
(タイトルメニュー画面でしか聴くことが出来ないのだが)

www.youtube.com

また、今作では文明ごとにプレイ中流れるテーマ曲があるのだが、このテーマ曲が時代が進むごとに少しずつ変化していくという素敵なギミックがある。
文明ごとのテーマはどれも本当に良くて、これだけでもCiv6の評価が+10くらいされる感じ。
以下はテーマ曲システムの解説と紹介動画。

www.youtube.com

音楽以外もUIや演出など全体的なアートデザインが凝っていて楽しい

音楽の他にも、今作では遺産完成時や勝利時のムービーが復活していたり、UIの細部が凝っていたりしてなかなかセンスが良い。
個人的にはこういうところで楽しさが大きく変わるので有り難い。

日本語ローカライズが素晴らしい

今作の日本語ローカライズはなかなか出来が良い。 テキストの翻訳もほとんど違和感がないし、何よりチュートリアルや技術研究時の格言などがちゃんと吹き替えされている。
これは大変素晴らしい事である。

1プレイに掛かる時間が長過ぎる

ここからは悪い部分の紹介だが、プレイ時間はその中でも最も大きな問題点である。
今作では前作Civ5より更に操作量が増えており、伴いプレイ時間も肥大化している。
1プレイに掛かる時間はだいたい6時間~10時間ほど。
設定でゲームスピードを早いに設定し、戦闘アニメーションなどをOFFにし、小マップでプレイしても7時間くらいは掛かる感じ。
これは予定のない休日であっても始めるにはなかなかの覚悟がいる時間だ。

こんなに時間が掛かる原因はいくつかあって、
・ユニットがスタック制ではなく移動速度も遅い
・区画システムにより内政が複雑になった事
・属国システムなどがなく奪った都市を全て手動で管理しなければならない
・労働者の自動化がない
・政策スロット、交易やスパイなど数ターンごとに再設定を求められる要素が多い
などがある。
ゲームシステムが複雑になる事自体には賛否あるだろうが、本質的ではない操作(ぶっちゃけ適当でもいい部分)で大量の時間が奪われるというのは良くない。
シミュレーションゲームの宿命かもしれないが、プレイ開始3時間の時点でほぼ勝敗が決していて、あとは消化試合なのにそこからクリア条件を達成するまで更に3時間近くもターンエンドを繰り返すのは苦行だ。

ぜひともパッチもしくは拡張パックで勝利条件を見直して勝敗が決したら後はサクサクと終わらせられるようにするか、色々と面倒な操作に自動化やショートカットの機能を追加して欲しい。

システムが複雑で理解しにくく、ライトゲーマーにはしんどい

個人的にはこれはそれほど欠点ではないのだが、Steamのレビューやスレの感想などを見ていると低難易度でも難しすぎて辛い、システムが全然理解出来ないという声が少なからずあるようだ。
確かに説明不足で直感的に理解できない要素が多く、戦略性が高まった分とにかくこれを目指せばいいという分かりやすいプレイ方針が無いという気はする。
CivRevのようななんとなくでサクサク進むゲームが好みの人にはあまり向いてないかもしれない。

AIがあまりにも賢くないためシステムの複雑さや文明の個性が活きない

今作のAIはCiv5から大幅に退化していないか?と思うほど残念だ。
戦争では軍隊がいても蛮族のようにウロウロしているだけなので無視して都心を攻撃するだけで簡単に攻略出来てしまうし、そもそも現代になってもユニットが全然アップグレードされず戦士や弓兵などが中心だったりする。
AIの個性が強すぎるせいか内政も一部の文明だけが極端に発展していて他の文明はやる気があるのか???と思うほど差が付いていたりする。
低難易度でも高難易度でもAIの行動は変わらないようで、単にプレイヤーとAIどちらが下駄を履いているかというだけなので、低難易度でもボロ負けする人がいる一方、高難易度でも簡単に勝ててしまったりする。
また、勝利に近い文明が嫌われて負けている文明同士で同盟を組んで勝利を阻止、などという高度なAIも持っていないため最初から最後まで淡々とした外交が続く。
このバカAIのせいでせっかくの戦略的要素がほとんど無用の長物になってしまい、プレイの中だるみに拍車を掛けてしまっている。

これも早急にパッチでどうにかして欲しいところ。

AIの沸点が低すぎて全員敵同士になる

これはバランス調整のミスだと思うが、戦争などによる好感度ペナルティが強すぎて、だいたい全ての文明から常に非難声明を出されるという状態になってしまう。
プレイヤーがとにかく嫌われるように出来ているのかと思いきや、よく見ると全ての文明が互いに非難し合っているので、同盟などというものは存在しない惑星になる事がほとんど。

蛮族が不自然に強すぎる

AIがふざけているのか?と思うほど頭が悪い一方で、何故か蛮族が異常に強い。
最序盤はとにかくたくさん戦闘ユニットを作らないと詮索ユニットがどんどん倒されるどころか、逆に自都市が蛮族に包囲されてしまう。
まだ序盤の蛮族が強いのは理解出来るが、今作では終盤になっても空き地が多く容赦なく蛮族が湧くため、文明がまだマスケット銃で戦っているのに機械化歩兵(戦車)や潜水艦を操る謎の蛮族に都市が破壊されたりする。
印象としては蛮族が常に文明の1レベル上の兵器を所持している感じ。文明とは何だったのか。
しかも蛮族の強さは低難易度でも変わらず、むしろ低難易度の方がAIの拡張や軍備が遅いため蛮族が猛威を振るいやすく、ライトゲーマーに耐え難いストレスを与えているようである。

科学勝利の条件がダルすぎる

代表的な勝利条件に科学勝利というのがあり、科学力を駆使し宇宙に植民地を築けば勝利というのがあるのだが、これがあまりにも難しく誰も達成出来ないレベルになっている。
本来は技術研究力による勝利のはずなのに、勝利のために建設すべき建築物があまりにも多いため全ての文明が全ての科学技術を研究し終えてもまだそこから50ターン以上必要だったりする。
大抵はその前に勝手に文化勝利を達成してゲームが終了してしまう。
他の勝利条件もイマイチ盛り上がりに掛けていたり面倒だったりして全体的に見直して欲しい。

致命的なバグやバグなのか仕様なのか分からない挙動などが多い

必ず再現する致命的なクラッシュバグなどバグが多い。
また、AIの挙動などバグなのか仕様なのかよく分からない挙動も多い。
これはとにかくパッチを待つしか無い。

操作性に一部難あり

いくつか操作性に何のある部分があり、一番ひどいのはユニットの自動選択で、あるユニットを行動させたあと自動で別のユニットにフォーカスが当たるのだが、一瞬前に選択していたユニットにフォーカスがあたり、行動させようとクリックした瞬間1秒くらいラグがあってから別のユニットが自動選択されるため、ものすごい頻度で誤操作が発生する。
説明しにくいが素早く操作しようとするとものすごい頻度で誤操作が発生するのだ。

ゲーム終了後のマップリプレイがない

これは個人的にかなり残念な点なのだが、ゲーム終了後のリプレイ画面で、マップ上で文明の勢力図がどう塗り替わっていったかのリプレイを見る事が出来ない。
Civ5の時も最初は出来なくて後からパッチで追加されたのに、何故同じ事を繰り返すのかよく分からない。
今作では地図交換もなく、衛星によるマップ解放もないので、最後まで世界地図の全容が分からないままゲームが終わることも多い。
また、Civ4のようなプレイ中に確認出来る折れ線グラフによるスコア推移表示は今作でも無くそれも残念。
シミュレーションゲームは本当にこういう細かいところでモチベーションが変わるのに。

雑感

長々と不満点を書いたが、食事の時間も惜しんで36時間もやり続けるのはやはり特別なゲームだとしか言いようがない。
Civilizationシリーズはいつもリリース直後は出来があまり良くなく、パッチでのバランス調整と拡張パックが2つほど出てようやく完成されるという感じなので、そういう意味では今作は「リリース直後にしては」完成度が高いと言えるかもしれない。

本当にベースはとても良く出来ているので、バランスの悪さやAIの残念さは近々パッチで修正されると思いたい。
時間さえあればまだまだプレイし足りないのだが、あまりゲームばかりやっていると罪悪感で死にそうになるので、しばらくは我慢しようと思う。(出来るとは言ってない)