みんからきりまで

きりみんです。

技術書典6で配布する本の前払い取り置きをpixiv PAYで試験的に実施するよ

本の詳細についてはこちらのエントリをごらんください。

kirimin.hatenablog.com

pixiv PAYを使った前払い取り置きをやります

pixiv PAYというサービスを使って、技術書典で配布する本の前払いかつ取り置き(予約販売)を行います。
事前に購入していただくことで、売り切れの心配なく確実に本を手に入れて頂くことができます。

どうしてやるの?

システム的に可能そうだったので、試してみたいというのが主な動機です。どこかから怒られたら中止します。

同人誌というのは需要を読むのが難しく、サークル側としては何部くらい刷ればいいのか分からず、出来るだけ売り切りたい気持ちもあり弱気な発行部数になりがちです。
一方、一般参加者側としては欲しい本が何時ごろに行けば確実に入手出来るのかが難しかったりします。
なにか事情があり早い時間に買いにいくのが難しい場合もありますが、目的の本はやはり手に入れたいものです。

そんな事情があり、予約購入(ついでにキャッシュレス決済)のような事が出来れば便利なのではと思いました。

一方、そんなことを考えてなんとなく同人イベントでの取り置きについて調べていたら、数年前に話題になり議論が盛り上がったことがあったようでした。

anond.hatelabo.jp

ググればいろいろなエントリが出てきますが、上のエントリによると、取り置き文化には以下のような問題があるようです。
・取り置きは善意で行われるが、手間が掛かってサークル側としては取り置き分を別にわけて相手のリストを作ったりと負担がある
・交流がある人に限って対応すると他の人からずるいと言われたり、人間関係的に面倒くさい
・もし取り置きをお願いしていた人が実際に買いに来なかったらその分が機会損失となってしまう

これらの問題はシステムである程度解決できるのではないかなと思ったので、せっかく自分がサークル側として同人イベントに参加する機会だし実際に試してみたいと思ったのです。

どうしてpixiv PAYなの?

同人誌の取り置き問題を扱ったサービスはいくつか存在するようでした。

トリオキニ

とらのあな KEEPER

しかし、いずれも見たところあくまで取り置きを管理出来るというサービスで、決済が行えるというものではなさそうでした。

そこで、pixiv PAYというサービス(アプリ)を思い出しました。
pixiv PAYは本来イベントでの対面決済に利用されることを想定されたサービスですが、最近は静的なQRコードに対応し、サークル側が都度アプリでQRコードを表示させなくても決済ができるようになっています。
pixiv PAYであれば取り置き依頼だけではなく、同時に代金の前払いが可能なため、「取り置きをお願いしていたけど実際には買いにこなかった」といったリスクを回避することができます。
また、当日はその場で決済を行う必要がなく、購入済み画面を見せてもらうだけで済むため支払いのフローが発生せず、サークル側としては事前に購入された冊数を分けておくだけで済みオペレーション的にも、楽になる可能性があります。
そうなると取り置きの負担やリスクがあまりなくなるため、対象を親しい人などに限定する必要もなくなります。

また、今回自分の場合はすでに入稿を済ませており発行部数を決めてしまっていますが、発行部数の少なく利益率も低いカラーイラスト本などを配布するサークルの場合は入稿前にある程度需要を知ることも出来るかもしれません。
何より、どうしても本が欲しいというファンの人に確実かつ優先的に購入してもらうことができます。

考えられる負担やリスク

本が売り切れても事前購入者が全員受け取りに来るまで撤収できない

即売会では早々に全ての配布物が売り切れてしまった場合は早めに撤収して帰ることがありますが、前払いした人がイベント終了時間直前まで来てくれなければ、撤収することができないということが想定されます。

当日のオペレーションが複雑化する

単純にその場で売り買いを行うだけに比べ、pixiv PAY対応というオペレーションが増えるため、売り子さんに手伝って貰う場合などに覚えてもらうことが増えることが想定されます。
今回は弊サークルでは当日の支払いにはpixiv PAY対応を行わないことで、「pixiv PAY = 前払い」とシンプルにすることで負担を軽減しようと考えています。

同じ人が何度も受け取りに来る万引き行為が発生する

これが考えた中で一番大きなリスクで、同じpixiv PAYの決済画面を利用して同じ人が何食わぬ顔で何度も本を受け取りにきて本を搾取されるという行為が発生する恐れがあります。
しかし、これは単なる転売行為なだけではなく窃盗行為であり、かつ販売側が同じ人物であることや同じ決済IDであるなど不審なことに気がついたら捕まえることが出来るため、技術書典の規模ではあまり起こる可能性は低いのではと考えています。
そもそもダウンロード販売も予定している小規模な技術本を複数冊入手するのは強い悪意を持った嫌がられくらいでしかあまり考えられないのではという気がしています。
転売が有効なコミケの大手サークルの委託もない限定本などであればリスクが高くなるかもしれません。

どうやって購入するの?

まず、pixiv PAYアプリをスマホにインストールしてください。

pay.pixiv.net

そして、以下に貼ってあるQRコードを読み取り、購入を行ってください。
サークル側では事前販売数を把握して取り置きしておくので、当日は受け取りの際にpixiv PAYアプリの購入履歴画面を提示して前払い済みであることを証明してください。本をお渡しします。

フリーランスを完全に理解できる本 購入用QR

公開を終了しました。

きりみんちゃん公式ファンブック 購入用QR

公開を終了しました。

やりたいこと

正直、今回自分は売り切れる可能性より爆死する可能性の方が高い部数をうっかり注文してしまったため、あまりこれをやる必要性はないのですが、身をもって検証して、もし有用な手段であればその知見を共有したり、pixiv PAYに前払い向けの機能(本人認証など)を導入してもらったり出来ればいいなぁとか思ったりしています。

完全に試験的な試みなので、うまくいかない可能性もありますし、次回以降は同じような事はやらない可能性もありますが、技術書典ですからこういう技術検証も面白いのではないでしょうか。

というわけで、本を確実にゲットしたい!という方は気軽に前払い取り置きを試してみてくれたら幸いです。

技術書典に向けて日光企画でpdfの技術同人誌とフルカラーのイラスト本を入稿した時の学びと反省の共有

関連エントリ

kirimin.hatenablog.com

4/14に開催される技術書典6に向けて日光企画で原稿を入稿してきました。
早々に原稿を完成させ余裕の早割で入稿準備に入ったはいいものの、同人誌の入稿というのが全然知らない世界で想像していたよりも難しかったので、知見を共有したいと思います。
特にpsdでの入稿に関する知見はあまり見当たらなかったので詳しめに書いていきます。

実際に本が出来上がったらまた反省点などが色々あるかもしれませんが、これから技術書典6の入稿を行う人もいるだろうかと思われるので、一旦いま時点で書きたいと思います。

日光企画では技術書典向けに特別の割引や搬入対応などのサービスを行っているので、ぼくも日光企画を印刷所に選択しました。

株式会社 日光企画

入稿した本

今回入稿した本は二種類で、1冊は一般的な(?)技術同人誌です。
Re:VIEWを使用して執筆しました。
表紙のみPhotoShopにて作成しています。 オフセット本です。

もう1冊はいわゆるイラスト本というやつで、全ページフルカラーの本です。
こちらはすべてPhotoShopにて作成しました。 オンデマンド平綴じ本です。

https://i.gyazo.com/41a3c32a4cae57fb082d3f74dfb2e40d.png

どちらもサイズはA5です。

事前に知った知識

入稿段階になってからWeb入稿でサクッと作業をしようと思ったら分からないことが多くて、ググったら以下の2つのエントリを見つけ大いに参考にさせていただきました。

blog.vtryo.me

jumpei-ikegami.hatenablog.com

それから流し読みしかしていなかったこちらの本を改めて見返しました。

技術同人誌を書こう!  アウトプットのススメ (技術書典シリーズ(NextPublishing))

技術同人誌を書こう! アウトプットのススメ (技術書典シリーズ(NextPublishing))

上のエントリ+本で知ったこと

詳しくはエントリと本を読んでほしいのですが、印刷素人には色々と罠がありました。

  • データのサイズ(容量ではなくA5やB5など意図した通りのフォーマットになっているか)に気をつける
  • 使用されているフォントがファイルに埋め込まれているかを確認する
  • 各ページにはノンブルという入稿用のページ番号の印字が必要
  • ページ数は表紙を含め4の倍数になっている必要がある

最初はWebから入稿しようと思っていたのですが、意外と不安要素が多いことがわかったので、日光企画御茶ノ水店に行って対面で入稿手続きをすることにしました。

対面での入稿

土曜日の昼に伺ったのですが、他にお客さんはあまりおらず、とても丁寧にじっくりと対応していただきました。

データフォーマット

日光企画の入稿用フォーマットは公式サイトからダウンロードすることができます。

【トンボダウンロード】オフセット用

また、技術書典特典でA2のポスターを無料で1枚印刷が出来たので、そちらのデータも作成したのですが、こちらはテンプレートなどは見当たらなかったのでフォーマットの通りのサイズのpsdファイルを作成したのですが、問題なさそうでした。

大判ポスター

表紙データ作成

以下のように表紙用フォーマットデータにレイヤーを追加する形で作成しました。
| トンボ削除不可 | 入稿データ | 背景 | というレイヤー構成になっていれば問題ないようです。
入稿データのレイヤーは1枚に統合しておきましょう。

https://i.gyazo.com/8149de0a55ec457f51dcbaa4c48088e8.png

なお、後述しますがこの表紙データにはかなり問題があります。

本文データ作成(イラスト本)

本文データも表紙と同じようにフォーマットのデータを使用します。

https://i.gyazo.com/2c47f319130d04b4d336a3a550ac72da.png

本文データは外側の水色の枠線まで入稿データの画像がないと切れてしまうらしいです。
基本的に大きくはみ出すように入稿データのレイヤーを置くようにすれば問題なさそう。
ただし、内側の水色の枠線のギリギリまで文字などを配置すると今度はそちらが見切れてしまうらしく、余裕をもって余白を入れた方がいいようです。

持ち込んだデータ

USBメモリに以下のようにデータを入れて持っていきました。

https://i.gyazo.com/3a77fe6863339ef97d3bd738dd70d186.png

データは人間が手作業で確認するため、細かい命名規約などはなく、解るようになっていれば良いようでした。ただし、余計なファイル(投稿用にpng化したデータやおしながきの画像データ)が含まれていると担当者を混乱させてしまうので、気をつけましょう。(反省点)

やらかしたミス

いろいろとミスをやらかしてしまったのですが、店頭では丁寧に対応して頂き、なんとか無事入稿することができました。

表紙のデータが裏表逆(右綴じ)になっている

二冊の本はどちらも左綴じの想定だったのですが、作成した表紙データの左右が逆で、表紙と裏表紙が逆になってしまっていました。
どうしようかと思っていたら、担当の方がその場でカウンターのPCをでPhotoShopを使い器用に左右を入れ替えてくれました。
有り難し。。。

表紙のデータのサイズが間違っている

表紙データのフォーマットは様々な本の厚みに対応するようになっていて、中央の部分が本の厚みに応じて背表紙になるということは理解していたのですが、両端の枠も最大の厚みまで対応したフォーマットになっているので、本が薄いとその分両端が見切れてしまうと指摘をいただきました。
こちらもどうしようかとオロオロしていると、担当の方がデータを加工して見切れないように縮小調整してくれました。
本当にお手数をおかけしてしまい頭があがりません。神対応。。。

PSDデータにノンブル(入稿用ページ番号)が振られていない

PDFデータにノンブルが必要なのは事前リサーチしていたのですが、フルカラー本のPSDデータの方にも必要だということを失念していました。
こちらはPhotoShopがインストールされたMBPを持参していたので、その場で他の確認作業などをして貰っている間に急いで全ページにノンブルを追加する編集作業を行いました。

PSDデータの解像度が高すぎる

フルカラーデータの解像度は350dpiが望ましいらしいのですが、実際には600dpi程度になっていたようです。
こちらはおそらく問題ないということでそのまま修正せずに入稿させていただきましたが、350dpiにするのがやはり望ましかったでしょう。。。

PDFデータのノンブルの位置が間違っている

ノンブルが目立たないようにするには、左綴じの場合は1ページ目(表紙を含めると3ページ目)のノンブルが左側、2ページ目のノンブルが右側というようになっていなければならなかったのですが、見事に逆になっていました。
こちらもその場で自分のMBPでiLovePDFを使用してノンブル付きPDFを作成し直しました。

iLovePDF | PDFファンのためのオンラインツール

持参したUSBメモリが読み取り専用になっていた

エンジニアとは思えない情弱っぷりで恥ずかしいのですが、このために買って当日の朝に届いたUSBメモリWindowsで入稿データを入れ持参したのですが、上記のトラブルでデータを修正しようとしたらMacからは読み取り専用になっていて、権限の変更も上手くできず右往左往してしまいました。
結局、担当の方の使用しているUSBメモリを貸して頂き、そちらを使用してデータの受け渡しを行いました。

pixivプレミアム会員の5%割引を言い忘れた

pixivのプレミアム会員であれば各種割引から更に5%割引を利用出来るらしかったのですが、そこまで頭がまわらず利用できませんでした。

Pixiv×日光企画提携サービス

まとめ これをやっておけ

  • はじめての同人誌入稿の場合は出来るだけ店舗へ行き対面で入稿する。知識がないと正しく選択できない項目も多いし、多分不備があって電話などリモートなどで何度も確認や修正の作業をするよりも楽だし早いです。
  • 入稿データと作業環境の入ったノートPCは持参した方がいい。その場で修正が出来るので。
  • スマホテザリングできる状態にしておいた方がいい。その場で修正が出来るので。
  • USBメモリは持参するノートPCで読み書きが出来る状態か事前に確認する。
  • USBメモリの中に余計なデータを入れないように注意する。
  • ページ数やサークルのスペース位置など記入が必要な情報をメモしておく。
  • 基本現金払い受付で現金割引もあるので想定されるくらいの料金の札束を引き出しておく。

日光企画さまについて

本当に神対応をしていただきました。
色々とお手数をおかけして申し訳ないです。
技術書典のバックアップ印刷所だと、特別割引などがあるだけでなく、「あ、技術書典ですね」とすぐに話が通り搬入情報などをおまかせ出来るので、とても楽でした。

同人誌の印刷入稿というのも色々とノウハウがあってやってみると勉強になるなぁとしみじみ思いました。

そんな弊サークル「きりみんちゃんねる」はこちらになりますので、ぜひ買いに来てください!

techbookfest.org

追記

クリスタを使っていると楽らしいです。

技術書典6で「フリーランスを完全に理解できる本」を配布します

4/14に開催される技術書典6 スペース"け74"にてサークル「きりみんちゃんねる」として「フリーランスを完全に理解できる本」というタイトルの本を配布します。

techbookfest.org

https://i.gyazo.com/fa82ea2070d88a469f9e5304dc2bc961.png

内容

筆者が7年ほどフリーランスのエンジニアをやってきた経験を元に、フリーランスのエンジニアとして働く上での基礎知識や知見などを解説した本です。

最近はフリーのエンジニアも増えてきている印象がありますが、ネットなどでの言説を見ているとその実態はあまり理解されていない印象があり、また現場でも「フリーの人ってどういう契約なんですか?」と聞かれたりもします。

そこで、フリーランス(主に業務委託)の働き方や契約内容、単価の相場や税金や経費、確定申告などについて幅広く解説する一冊になっています。

https://i.gyazo.com/d9054b3b045beef2efc9ddec8ed2c80c.png

https://i.gyazo.com/7e34fc8fb2d3afda0650c40cd5e1934e.png

https://i.gyazo.com/2da83e66e190085d0b02732965e0cab2.png

購入者にはpdf版のダウンロードURLも提供します。

どんな人に読んでほしいか

フリーランスに興味があるエンジニアの方や、副業を始めた(始めたい)エンジニアの方を主な対象読者としています。 しかし、個人的には同じ職場にフリーランスのエンジニアがいる方や業務委託のエンジニアについてよく知らないという普通の正社員の方にも読んでみてほしいなと思っています。
また、エンジニア以外の方でも、デザイナーやイラストレーターなど業務委託や請負契約でのお仕事をされる事の多い他の職種の方にも興味深く読んでもらえる内容だと思っています。

想い

今回の本はかなり濃い内容になったと自負していて、商業も含めあまり他にはない価値のある情報が詰まった本になったと思っています。 前回の技術書典では体調があまりよくなかった事もあって満足の出来る内容に出来なかった後悔があり、今回はリベンジのつもりです。

当日はそれなりの冊数を用意する予定なので、当日午前中には来れないという方もぜひゆっくり買いに来て欲しいです。

きりみんちゃんファンブック

なお、当日は同時に「きりみんちゃん公式ファンブック」という本も配布予定です。
こちらはVTuberとして活躍するバーチャル幼女プログラマーきりみんちゃんのフルカラー公式ファンブックとなっています。
こちらもVTuberの公式本としてどういう内容にすれば楽しんでもらえるかを考えて、頑張って作ったのでぜひ買ってもらえるとうれしいです。

https://i.gyazo.com/74a70681a720e66daa51feb9229a6943.png

おしながき。

https://i.gyazo.com/f93312f6eb463a248242ffee74506694.png

ある程度需要を事前に把握できるとありがたいので、買いたいと思っている方は公式カタログのサークルチェックに登録してくれるとうれしいです。

追記

こちらから通販にて購入できます。

kirimin-chan.booth.pm

工事が不要なタイプの食洗機を買ったら最高

少し前に話題になっていた、工事が不要なタイプの食洗機を買って一週間が経ったので、レビューを書きます。

kakaku.com

https://www.amazon.co.jp/dp/B07GR8L47Z/

ぼくがどれだけ食器洗いが嫌いかという話

ぼくはとにかく食器洗いが嫌いだ。
どのくらい嫌いかというと、過去に何度か自炊の習慣をつけようと試みたが、食べたあとに食器を洗うのが嫌すぎてそのまま何週間も洗わずにためてしまい苦しみ続け自炊に挫折している。
コップなどを洗うのも嫌で、飲み物を飲んだあとのコップや既成品を食べたあとの箸なども洗わずためてしまうため、何年か前からコップはすべて紙コップ、箸はすべて割り箸を使っていた。
食器洗いだけでなく、缶やペットボトルをゆすぐのも嫌いで、これも油断すると流し台を埋め尽くすほどためてしまうのだが、それはまた別の課題だ。

何が嫌かと聞かれると難しいのだけれど、多分手が濡れるのが嫌なのがメインで、そこに流し台が低く腰が痛くなることや汚れたものを触るのが嫌というような複合的な感情によるものだと思う。

なお、名誉のために行っておくとぼくは食器洗い以外の家事、洗濯や片付けなどはそれほど嫌ではないので、別に汚部屋に住んでいるわけではない。精神状態にもよるけど、むしろ部屋は片付いている方だと思う。
あくまで食器洗いが特別苦手なのだ。(なお、お風呂掃除も苦手)

既存の食器洗い機に手が出せなかった理由

そのような性分なので、もちろん食器洗い機というアイテムにはたいへんに興味があった。
今まで何度も購入を検討したことがある。
しかし、借家に住む身としては、導入に工事が必要なことと、引っ越し時にまた工事が必要なことがネックになり手が出せなかった。
今住んでいる物件をとても気に入っているというわけでもないので、いつ引っ越すか分からない状態で引っ越し時の面倒を増やしたくないという気持ちもあった。

なお、近年の食洗機市場はパナソニック一択であった。

流星のごとく誕生した工事が不要なタイプの食洗機

パナソニック以外の日本メーカーが全て撤退した廃墟のような食洗機市場に突如として現れたのがこの製品だった。
販売元は「SKジャパン」という会社になっているが、よく分からないが電化製品の輸入を行っている企業っぽい?
調べてもよく分からなかったけど、生産地は中国と書かれているので、元は中国企業の製品なのだろうか。

実際に使ってみた感想

前置きが長くなってしまったけど、レビューを書きます。

設置

まず、設置について。これはとても簡単。イメージとしては電子レンジのような感じ。というか実際に電子レンジくらいのスペースに置けるし、構造としては脱水用のホースがついていてそれをお尻に付けてシンクに流れるように置くだけだ。

使い勝手

既存の食洗機は給水というフローのために工事が必要だったわけだけど、この製品は加湿器のようにタンクに自分で水を入れる必要がある。
必要な水の量は結構多くて、2Lの注ぎ用のカップが付属してるんだけど、これで4回くらい注ぐ必要がある。
わりと面倒ではあるが、食器を洗う苦痛に比べれば些細なことだ。

稼働時間は標準で1時間+乾燥30分。結構掛かる。
稼働中はわりとうるさくて、洗濯機のような低重音が鳴るのだけれど、洗濯機に比べ位置が寝室に近いせいか、ベッドで横になっているとわりと気になるくらいにはうるさい。

収容量

これを一番心配していたけど、問題なかった。 1,2人分の普通の食器ならなんでも入る。

一番心配していたフライパンや鍋も入れることが出来た。

https://www.amazon.co.jp/dp/B00B1MKOA2/

ぼくはこのティファールの取っ手が取れるセットを使っているんだけど、取っ手を取れば普通に入る。
取っ手が取れない鍋やフライパンだとちょっと厳しいかもしれない。

なお、フライパンや鍋を入れるとそれだけでスペースを占領するので、自炊した後はフライパンと食器で別に洗う必要があり、二回稼働させる。合計3時間。

洗浄力

ぼくの感覚だと全く問題なくきれいになる。通常モードでフライパンもお皿も十分に綺麗になるし、乾燥もしてくれるので取り出して棚にしまうだけでいい。

総評 今まで無かったのが不思議なくらい便利

自分にとってはこれは最高の製品だった。
正直、今までの食洗機が「給水をする」というたった1機能のために工事が必須になっていたのが異常だと思うくらいで、今までこのような製品が存在しなかったのは何かの利権か余程メーカーがユーザーを理解していないかどっちかだと思ってしまう。

ただし、決して万人向けというわけではないと思っていて、食器洗いという行為自体がそれほど苦にならない人(ぼくの母親などがそうだ)にとっては、「手で洗えば10分で終わるのにわざわざ給水して3時間も掛けて逆に面倒くさいだけ」と思うかもしれない。
また、賃貸ではなく持ち家の人はそもそも工事して食洗機を取り付けた方が長期的にはメリットが大きいだろう。

しかし、ぼくのように食器洗いがもはや生理的なレベルで嫌いな一人暮らしの若者はたくさんいると思うし、そういう人にとってはこの製品は本当に革命的に便利なものだと思う。

元々料理をすること自体は嫌いじゃないので、心置きなく自炊が出来るようになって本当によかった。
めでたしめでたし。

追記

いくつかブコメに反応など....

工事簡単だよ

そうかも...やったことないので分からない...。 ただ、今の物件は水回りがかなり古く蛇口の形状が特殊なので、多分自分でやるのは調べた限り難しそう。
工事を依頼するのはやっぱり面倒そうだと思うし、引っ越しの度に復元と取り付けをやり直すのもつらそうだと感じた。

給水面倒そうすぎない?

取っ手があるカップで水を注ぐので個人の体感としてはあんまり面倒だとは思わない。
1分くらいで出来る。

缶ペットボトル洗うのが苦手なのは、手が濡れがちなのと、つど洗えばいいんだけどためてしまいがちで、たくさんたまると心理的に面倒な気持ちが強くなってしまうからです。

アウトプットの結果はだいたい期待通りには返ってこない

ポエムです。

アウトプットに挫折してしまう人

現代のインターネット社会において、特にエンジニアなどの技術職の場合、アウトプットをすることが大切とよく言われる。
ここでいう「アウトプット」というのは、例えばブログを書いたりだとか、作品を作ったりだとか、発表をしたりだとかだ。

しかし、アウトプットをするというのは向き不向きがあるようで、苦手な人も多いようだ。
純粋にアウトプットが性に合わないという人もいて、そういう場合はそれはそれでいいと自分は思う。
決して自分の成果や能力をオープンにアピールしなくても優秀な人はたくさんいるし、そういう人は有名ではないけれど確実に評価されきちんと仕事を得ている。

一方で、アウトプットをして承認されたいと思っていながら、それが上手く出来ない人というのもいるようだ。
自分の観測範囲だと、特にアウトプットのハードルが上がりすぎていて、その高いハードルを乗り越えた結果が期待していたものと違うことで心が折れてしまうパターンなどが多いように思える。

期待どおりの結果が返ってくることは少ない

ここで一つ自分の経験則として共有したいのが、表題にある「アウトプットの結果はだいたい期待通りには返ってこない」ということだ。
これは特に最初のうちはそうで、もちろん自身のアウトプットの質の問題もあるが、タイミングであってりとか、その人の元々の知名度や固定ファンの多さなどの外的要因により大きく左右される。

しかし、やはり何かをアウトプットする時というのは反響を期待してしまうものだ。
例えば、自分はエンジニアになったばかりの頃から個人でいくつかアプリを作って公開したりしているが、だいたい「これはよく出来ている!一秒でも早くリリースしたい!」と思ってリリースしても、1ヶ月で数~数十ダウンロードしかされない事が普通にある。

これは何でもそうで、イラストを投稿する時だって「これは力作だ!10000いいねされるに違いない!」と思って投稿してもスルーされるし、ブログだっていつも「これはホッテントリ間違いない!」と思って書いているが0ブクマの時だってある。

ここで、心が折れてしまう人がいる。いや、ぼくだって心が折れそうになる。

継続や時の運によって期待以上の結果が返ってくることもある

一方で、そのようなアウトプットを継続することで、時々思わぬ反響が得られる場合もある。
完全に運が味方した場合やホットなネタに便乗した場合などもあるが、そうでなくても評価して貰えることもある。

この「結果」というのを完全に自分でコントロールすることは難しいが、心が折れないためにいくつか知っておいた方がいいことはある。

アウトプットを継続する

一番大切な事はこれだと個人的には思う。
なぜなら、多くの人は何かを続ける事自体のハードルが高く、やめてしまうからだ。
継続し続ければ、それだけヒットを飛ばせる可能性も増えるし、知らない間に知名度があがりジワジワと固定ファンが付いてくれているかもしれない。
また、継続してアウトプットしているという事実そのものが、その人の信頼に繋がり、たとえヒットを飛ばさなかったとしても評価や知名度に繋がる。

アウトプットが思うようにいかないと、すぐにリセットしたくなってしまう癖がある人もいると思う。
たとえばブログの名前やプラットフォームを頻繁に変えたり、過去のアウトプットをすぐに削除してしまったりだ。
これは個人的には少しもったいないなと思っていて、継続して続けることによって少しずつ自分のブランドを築いていけるのに、頻繁にリセットしてしまうことでその人のイメージや評価がなかなか積み重ならない状態を作ってしまっている気がする。

アウトプットの内容を試行錯誤する

とはいえ、がむしゃらにアウトプットを続ければいいかと言えばそういうわけでもない。(もちろん好きでストイックにやっている場合は何も問題ない)

アウトプットによって良い結果が得られている人をよく観察して、違いは何なのか、自分のアウトプットのあまり良くなかった点はどこだったのか、というのを常に考え、色々な方法を試してみるといい。

また、他人を研究するだけではなく、自分のアウトプットの中で結果の良かったものとそうでもなかったものの違いを分析してみるのもいいかもしれない。

余談だが、ぼくは公開したアプリが全くインストールされずに落ち込んだが、気まぐれで英語のローカライズに対応したら海外からのインストールが大量に伸びたという経験をしたことがある。
そういうちょっとの工夫で結果が大きく変化することを体験すると、アウトプットの結果が思い通りじゃなかったとしても、イコール自分の作品がなんの価値もなかったとは限らないと思うことができる。

頻繁にアウトプットする

アウトプットを試行錯誤するには、アウトプットのハードルを下げて、アウトプットの頻度を上げるといい。
完璧主義の思考が強い人は、時間をかけて最高の一作を作り出そうとしてしまうが、多くの場合それはあまり効率がよくない。
理由としては、時間をかければかけるほど、短期的な結果が期待通り出なかった時に心が折れてしまうからだ。 特にアウトプットが少ないうちは、出来るだけ頻繁にアウトプットすることで、自分のスタイルを認知してもらうこと、自分の中の期待値を下げること、アウトプットする事自体になれることが出来るとよい。

同人ゲーム界隈(?)には「エターナる」という言葉があり、大作を作ろうとするあまり作品が永遠に完成しなくなってしまうというのはよくある話だ。
完璧に満足していない作品を公開するのは恥ずかしいと思ってしまうが、公開することで得るものは大きいし、何よりハードルを一度下げてしまえば、あとは上達する一方なのだ。下手に奥の手のように自分の力を隠しているよりも、とっとと今のレベルを晒してしまって、どんどん上達していく姿を見せた方が承認も好感も得られやすいと思う。

ただし、これはアウトプットする内容や場にもよるので注意したい。
たとえばブログやSNS、イラスト、動画の投稿などであればたとえ内容がイマイチだったとしてもスルーされるだけなので、出来るだけハードルを下げてどんどんアウトプットした方がいいだろう。(ただし誤った情報を拡散しないような注意だけは必要)

一方で、発表の場が勉強会だったり、カンファレンスの登壇だったり、イベントでの同人誌の発行であったりする場合など、多くの人が期待してくれている場面では出来るだけ自分のだせる最高の品質のものを出せるように力を振り絞った方がいい場合も多い。

そのような場で品質の悪いアウトプットをしてしまうと、逆に自分の評価を下げる結果になってしまう可能性があるし、逆に良いものを出せば多くの人に見てもらえ正当に評価して貰えるチャンスだ。

とはいえ、それでもハードルを上げすぎて何もアウトプット出来なくなるくらいなら、思い切ってやってしまった方がいいと思う。

自分語り

ぼくは子供の頃、作文や絵の宿題をやるのが本当に嫌いだった。
理由は自分が完璧主義だからで、子供である自分には思い描く素晴らしい作品を作る事はできないのに、なにかを作り公開しなければいけないというのが本当に嫌だった。
自分で自分のハードルをどこまでも上げていたのだ。

大人になり、いろいろな経験をし、いつの間にか自分で自分のハードルを下げるという事を覚えていた。
ハードルを上げて何もしないよりも、自分が下手くそだと認めてでも何かにチャレンジする方が楽しいことだと気がついたからかもしれない。

とはいえ、この文章は半分は他人に向けて書いていて、もう半分はすぐに心が折れそうになる自分に向けて書いている。
この文書を書くことで、自分に言い聞かせているのだ。

コントロールしにくい短期的な結果に一喜一憂しすぎない。
とにかく、どうすればもっと上手くやれるのかを一生懸命考え、それを根気よく続けること。

追記:評価されるためにアウトプットをするのか?

アウトプットをする理由というのは人それぞれだ。
純粋に何か生み出したものを誰かに見てほしいという場合もあるだろうし、何か社会的意義や明確な目標もってやっているかもしれない。

そもそも「アウトプット」が何かの定義も曖昧だ。
このエントリで書いた「アウトプット」は、ブログ(執筆)、イラスト、アプリやサービス、動画、ポッドキャスト、登壇などを想定している。(自分がやっていることだ)
もちろん何かをやること自体が楽しくて、もしくは届けたい相手がいて、反響はどうでもいいという場合もあるだろう、そういう人は別にこのエントリの想定読者ではない。

ただ、ぼくの場合はだけども、大抵なにかを公開する時というのはそれを出来るだけ多くの人に届けたいと思っているし、大きな結果が返ってくればモチベーションが上がり次の創作意欲へと繋がる。
たとえばアプリやサービスの公開だって、作ったからには多くの人に使ってもらいたいし、サービスが流行ったら自分の代表作に出来るし、上手く行けば収益化して収入源になるかもしれない。
イラストや動画だってそうだ、作ったものがウケたら嬉しいのは当たり前だし、それが新しいコミュニケーションや仕事に繋がるかもしれない。
そういう風に思ったり期待したりする事は別にかっこ悪いことでも不純な動機でもないとぼくは思う。
そもそも人間には承認欲求がある。

その上で、このエントリで伝えたかったのは、「短期的な結果に依存しすぎない方がよい」「他人からの評価はコントロールしにくいが、工夫して結果やモチベーションをコントロールしやすくすることはできる」といったことだ。